7月13日、厚生労働省は2010年度の国民年金の納付率が59.3%と、3年連続で過去最低を更新したと発表しました。非正規労働者の増加、若者世代の年金制度への不信感などにより納付率の低下に歯止めがかからない状態となっています。しかも、こうした状況をより悪化させかねない問題が「2013年問題」です。
サラリーマンなどが老後に受け取るのが厚生年金です。会社を定年で退職すると60歳から支給が始まり、ぜいたくはできなくてもそれなりの生活ができるというものだったのですが、それが崩れつつあります。
厚生年金は1階の定額部分と2階の報酬比例部分からなるのですが、定額部分の支給開始はすでに引き上げられており、現在は65歳からです。そして2013年、つまり再来年からは報酬比例部分も60歳では受給できなくなります。支給開始年齢は少しずつ上がっていき、最終的には2025年以降、年金を受け取れるのは65歳からになります。
これに引っかかる年齢層の心配は切実ですね。何しろ60歳で定年退職すると、年金が支給されるまでの間、無収入になってしまう可能性があるのです。60歳で年金がもらえない最初の世代が60歳になる――それが2013年問題なのです。
これに対して、そもそもこの問題を引き起こした張本人である厚生労働省は昨年、「今後の高齢者雇用に関する研究会」をスタートさせた。そこで検討されているのは「希望者全員の65歳までの雇用確保策」なんです。早い話、「なんとか企業で面倒みてやってくれ」と、解決策を企業に丸投げするルールづくりを進めようとしています。具体的に言えば、定年制の廃止、定年の延長、あるいはいったん定年退職した後、再雇用をする再雇用制度などで、企業に65歳までの雇用確保を義務づけるのは既定の方針です。
この問題は一見、若い世代には関係がないように思えますね。しかし、『お金の教室』などの著書で知られる経済評論家の山崎元さんは「20代も就職で影響を受けると考えられます」と言うのです。
「企業が若い人を10人雇おうとするとき、60歳を超えた人が10人、自動的に辞めていけば、全体の人件費は変わりません。ところが雇用を延長すると、しばらくの間は辞めていく人が少なくなる。60歳以上がどのくらいのコストで雇用されるかという問題もありますが、半額になったとしてもけっこうな金額です。そこで指名解雇のような調整はできないのだから、新卒の採用で調整せざるをえない。ただでさえ、不景気なのに加えて、若い人たちの雇用機会はさらに圧迫されるでしょう」
なるほど、その通りですね。
国だけでなく企業の年金制度も、現在の高齢社会化の前では崩壊寸前です!!
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フランス語 網野智世子